• 273 月
    • 古代では国家は天皇または朝廷を指した(石井紫郎・水林彪「国家」『国史大辞典』第5巻1985年)。
    • 国家の訓は「こくげ」「みかど」(同上)。
    • 律令用語としての国家は天皇を意味した(新田一郎『中世に国家はあったか』2004年)。

    素朴な疑問として十七条憲法の「国家自治」は天皇や朝廷を指してないような気がするんですが、どうなんでしょう。

    史料上の国家の語-日本中世に続く。

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  • 193 月

    現代日本の憲法学で国家はどのように定義されているでしょうか?

    司法試験受験生の間で聖典のように扱われている芦部信喜『憲法』は、冒頭で国家の定義を示しています(1997年新版p3)。

    一定の領土に限定された地域(領土)を基礎として、その地域に定住する人間が、強制力をもつ統治権のもとに法的に組織されるようになった社会を国家と呼ぶ。

    国家を地域社会の一種とする点、強制力を持つとする点ではラスキなどと一緒ですが、芦部による定義の特徴点は、他の論者が付けている最高や独占や始源といった限定条件が見当たらないことです。芦部による定義では、地方公共団体なども国家ということになってしまいそうで心配です。

    芦部本人による定義とは別に、こんな註釈も記載されていかす。

    なお、憲法学では、例えば人権を「国家からの自由」という場合のように、国家権力ないし権力の組織体を国家と呼ぶことも多い。

    ラスキは国家と政府の区別を政治学の基本定理であるとした(ラスキによる国家の定義参照)けれど、憲法学では国家と政府を区別しないこともあるわけです。

    ちなみに、政治学でもラスキの基本定理に反して、国家を政府と同義に扱われることもあります。マルクス主義政治学と、その影響を受けた政治学者に多いようです。これについては別稿にて。

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